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社長の連帯保証は相続される/知らなかった妻が直面するリスク

 

  • 「主人が銀行からお金を借りているのは知っているけど、詳しいことは聞いていない」
  • 「保証人になっているって言ってたけど、私には関係ないと思っていた」
  • 「相続した途端に銀行から電話が来るなんて、夢にも思ってなかった」

 もしこのような状況に心当たりがあるなら、このページは必ずお読みください。

 ご主人が亡くなった後、「知らなかった」では済まないことが起きる可能性があります。

連帯保証とは?社長夫人が知っておくべき基本

 会社経営において、銀行から借入れは事業を継続するために欠かせないものです。しかし、中小企業が融資を受ける際、ほとんどのケースで社長個人が「連帯保証人」になっています。

 これは、「経営者保証」とも呼ばれ、万が一会社が返せなくなったとき、社長個人が会社の代わりに全額を返済する義務を負うという重い責任です。

 会社規模によっては、借入残高が数千万円から数億円にのぼることも決して珍しくありません。しかし、多くの社長夫人は「会社のことだから」と、この事実を詳しく知らされていないのが現状です。

【最重要】社長の連帯保証は「相続」されます

ご存知でしたか?

社長が亡くなったとき、預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、「連帯保証人としての地位」も相続財産として扱われます。

 ■ 相続人が複数いる場合

 相続人が複数いる場合は、法定相続分に応じて保証債務も分割されるのが原則です。例えば、妻と子供の場合、妻は借金の半分、子供たちはそれぞれ4分の1ずつ保証義務を負う可能性があります。

 

 ■ 「知らなかった」では済まされないリスク

 会社経営が順調なうちは、表面上の問題は起こりません。しかし、社長が亡くなったことによる混乱で業績が傾いたり、返済が滞ったりした瞬間、銀行は連帯保証人である相続人に対して返済を求めてきます。

 ある日突然、銀行から電話がかかってきて「ご主人の保証債務について、奥様にお支払いをお願いします」と告げられる…。これは決してドラマの話ではなく、現実に起こり得ることなのです。

 もちろん、「相続放棄」すれば、連帯保証を引き継がずに済みます。しかし、相続放棄をすると、ご自宅や預貯金など、生活に必要なプラスの財産もすべて手放さなくてはなりません。

「うちは大丈夫かな?」と不安になったら
まずは現状の確認から始めましょう。

よくあるトラブル事例

 準備していないと、どのような問題が起こるのでしょうか。実際によくあるご相談事例をご紹介します。

 事例①:「夫の死後6ヵ月、銀行から突然の請求」

 夫が亡くなって半年後、銀行から「会社の借入について保証人として対応をお願いしたい」と電話がありました。その時初めて、夫が3000万円の連帯保証人だったことを知ったのです。しかし、相続放棄ができる期間(3ヵ月)はとっくに過ぎており、どうすることもできない状況に追い込まれてしまいました。

 事例➁:「相続放棄をしたら会社の株も失った」

 連帯保証が怖くて、慌てて「相続放棄」を選びました。借金は背負わずに済みましたが、同時に「自社株」も相続できなくなってしまいました。その結果、会社の後継者である息子が株を取得する手続きが非常に複雑になり、事業承継に大きな支障が出てしまいました。

 事例③:「根保証で、借入が増えるたびに保証額も増えていった」

 夫の連帯保証は「根保証(ねほしょう)」という形式でした。これは、一度契約すると、会社が借入を繰り返すたびに自動的に保証額も増えていく契約です。夫が亡くなった後に確認してみると、当初聞いていた金額よりもはるかに膨れ上がり、保証総額が1億円を超えていたのです。

「相続放棄」という選択肢とその注意点

 

借金なんて背負いたくないから、相続放棄をすればいい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

 確かに相続放棄は有効な手段ですが、大きな注意点があります。

 ■ すべての財産を放棄しなければならない

  相続放棄を選ぶと、借金だけでなく、預貯金・不動産・自社株などのプラスの財産もすべて放棄することになります。「自宅だけは残したい」という希望は通りません。

 ■ 期限はたった3カ月

 相続放棄には厳格な期限があります。「相続の開始を知った日(通常は死亡日)から3ヵ月以内」に家庭裁判所で手続きをしなければなりません。この期間を過ぎると、原則として放棄は認められず、自動的に借金も引き継ぐことになります。

 「連帯保証の存在を知らなかった」ために3カ月過ぎてしまい、手遅れになるケースがあとを絶ちません。だからこそ、生前に実体を把握し、対策をしておくことが何より重要なのです。

今からできる3つの生前対策

社長夫人のあなたが、ご主人といっしょに今すぐ始められる対策があります。

1.連帯保証の実態を把握する

 まずは「現状を知る」ことから始めましょう。どの銀行に、いくらの借入があり、どのような形の保証がついているのかを確認します。

 借入一覧表や契約書類、返済予定表を整理しておくだけでも、いざという時の対応スピードが劇的に変わります。

2.経営者保証を外す交渉をする

 現在は「経営者保証ガイドライン」という指針があり、一定の条件を満たせば、銀行との交渉によって社長の個人保証を外せる可能性があります。

 これは社長が元気なうちでないと取り組めない対策です。

3.遺言書・生命保険・事業承継計画の整備

 遺言書で誰が何を相続するかを明確にし、生命保険で万が一の際の返済原資を確保します。また後継者へ計画的に事業を引き継ぐことで、保証のリスクを最小限に抑えることができます。

OneSuccessionに相談するメリット

私たち司法書士法人OneSuccessionは、中小企業の経営者の相続・事業承継に特化した専門家集団です。社長夫人の不安に寄り添い、会社とご家族を守るためのサポートを行います。

✓ 連帯保証の整理サポート

 借入状況の調査や資料の整理をお手伝いします。「どこにどれだけの保証があるのか」を一緒に整理することから始めましょう。

✓ 相続放棄が必要な場合の手続き支援

 相続放棄を選択される場合も、期限内に正確な手続きができるよう、丁寧にご支援します。

✓ 自社株対策・遺言書作成とセットでのトータル設計

 連帯保証の問題だけでなく、自社株の承継・遺言書作成・相続全体を見据えた「会社と家族を守る」プランを提案いたします。

よくあるご質問

ここではよくあるご質問をご紹介します。

連帯保証は必ず相続されますか?

原則として相続されます。相続放棄を行えば引き継ぎませんが、その場合は預貯金などのプラスの財産もすべて放棄することになるため、慎重な判断が必要です。

夫が連帯保証人かどうか、どうやって調べればいいですか?

金融機関から会社に届く郵便物、返済明細表、銀行との金銭消費貸借契約書などを確認する方法があります。また、ご主人の承諾があれば、信用情報機関(CIC、JICC)に情報の開示請求を行うことも可能です。当法人でも調査・整理のサポートを行っております。

相続放棄の期限を過ぎてしまいました。もう手遅れですか?

原則として、3か月の期限を過ぎると放棄はできません。しかし、「借金(連帯保証)の存在を全く知らなかった」という特別な事情がある場合、期限の延長が認められるケースもあります。あきらめずにまずは専門家にご相談ください。

この記事を担当した司法書士

司法書士の村井です。
経歴

2006年 司法書士試験合格
2006年 名古屋の大手司法書士法人勤務
2007年 簡易裁判所訴訟代理権認定試験合格
2010年 司法書士村井事務所 開設

2022年 司法書士法人One Succession設立

所属

愛知県司法書士会 名古屋中央支部所属(会員番号第1470号)

簡易裁判所訴訟代理権 認定司法書士(認定番号第718044号)

公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート 会員

公益社団法人名古屋中法人会 青年部 理事

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